先日、久しぶりに社外の勉強会に参加してきました。オフラインで勉強会に参加したのは (ご招待いただいた Findy ユーザー感謝祭を除くと) 約 1 年振りでした。
懇親会で色々な方とお話しする機会があったのですが、その中で、身につけておくべき「スキル」に関する話をする機会がありました。自分とバックグラウンドが近い方からの質問ということもあってお返事したのですが、勉強会が終わって帰宅している最中に色々思い浮かんだことがあったので、その辺りを書いてみます。自分が参考にしている記事やブログも合わせて紹介してみようと思います。
勉強会で身につけておいた方がいいスキルの話になって回答はしたんだけど、加筆したいことを思い出したから別途ブログでも書くかな
— taxin (@taxin_tt) February 13, 2026
"身につけておくべき" という表現の意味するところについては、「身につけておくと、現在の仕事あるいは将来のエンジニアキャリアにおいて役に立つ」という意味合いとして扱います。いつの時点で役に立つかは環境による部分もあると思うので、ざっくりした書き方になっています。
スキルを使いこなせるようになるスキル
各所で言及されているので食傷気味かもしれませんが、やはり重要なので取り上げておきます。Claude Code しかり何か面白い技術が出てきた、もしくは知識として身につける必要が出てきた時に、それらを "一定レベルで" 使いこなせるようになるスキルというのは重要でしょう。 "一定レベルで" と強調しているのは、全ての物事を高度なレベル感で身につける必要はないと考えているからです。高度な知識や理解が必要になったら、そのタイミングでキャッチアップすれば良いでしょう。
とはいえ、スキル習得において切羽詰まった感覚を覚えることは実際あるので、そういう時には内省のために下記の記事を何度も読み返しています。
知識を習得する、物事に対する理解を深めるためのお作法というかやり方に関しては、ここ数年は下記を参考にして仕事をしています。
出来るプログラマーやエンジニアの方でも「何をやっているか分からない」「何が分からないか分からない」状態に陥りますか?その時は、どの様にして対処・解決しますか? - Quora
手札を増やす、制約条件の中でうまくやる
私達は何かしらのスキルや知識を利用して仕事をしています。私は仕事柄、パブリッククラウド (e.g. AWS) や CI/CD ツール (e.g. GitHub Actions) の仕様に関して調べ物をしたり、こういうことができるだろうかと技術検証をする機会が多いです。その際には、「手札を増やす、制約条件の中でうまくやる」の両方を意識しています。
「手札を増やす」というのは、何かしらの課題に対処したり、目的を達成するための手段を複数提示できるようにしておくという意味です。"松竹梅を出す" という表現で語られることがあるかと思います。
「制約条件の中でうまくやる」というのは書いてある通りで、目的を達成するためにあたって様々な制約条件を考慮した上で最適な手段で進めるという意味です。先ほどの松竹梅の例と組み合わせると "松竹梅を出す" だけではなく、リスク精査やどれが優れているか(推しか)を明確にするなどの話題があるかと思います。この観点では下記の記事をよく見返しています。
最近は「制約がある中で最善策を探そうとする中で、本来は最適だったはずの選択肢を見落としたり、そもそも候補に入れられなかったりする」という課題に向き合っています。
考え抜く、思考体力をつける
先ほど言及した課題について内省している中で、思考の抜け漏れや物事を考え抜く体力をつけることにも向き合っています。この辺りは考え抜いた分だけ身につくみたいな世界観だと(今の自分は)思っているのですが、それだけではない感覚も持っていてもう少しきちんと言語化したい気持ちがあります。
最近だと思考体力という表現で語られている Twitter(X) の post を散見しますね。
地頭より大事だと思う「思考体力」がある人の特徴がこれ pic.twitter.com/ra1NSbQ0oP
— もとやま (@ysk_motoyama) September 2, 2025
仕事においては、単純に思考を発散するだけではなく発散のベクトルを適切な方向に向けるという話題もあるでしょう。例えば、仕事の目的とかはわかりやすい例かと思います。
抽象度の高い課題に向き合う、真似をする、 「不安な中を歩くための杖」 としてスキルを一つ身につける
ここまで書いた内容を見返すと、抽象度の高いソフトスキルに関する言及が大半を占めていることがわかります。補足しておきたいのは、いわゆるハードスキルを軽んじているわけではありません。基本情報技術者試験などの資格試験を受けたり、SRE に関しては下記のようなキャリアラダーや教材を参考にスキル習得をしても良いと思っています。
一方で、キャリアラダーで言及されているようなハードスキルを全て持っていないと "全く" 仕事ができないかというと、そういうわけでもないと思っています。知識の理解度は分野によって濃淡があるのは当然ですし、それらの濃淡は働く環境や仕事の内容によって形作られることもあるでしょう。仕事をする中で未知の技術分野やサービスについてキャッチアップすることはざらにあります。
そういった中で、よりうまく仕事ができるようになるための要素として、ソフトスキルが占める部分は大きいのかなと思います。また、「スキルを使いこなせるようになるスキル」はハードスキルの学習効率化にも繋がります。
今振り返るとソフトスキル大事だなと思うわけですが、とはいえエンジニアになったばかりの自分に同じことを伝えて意欲的に取り組めるかというと自信はありません。なぜなら、ソフトスキルは経験やそれによって得られる実感によって価値が見えるものだからです。「大事なんだな」と想像力でカバーできる人もいるかもしれませんが、エンジニアになったばかりの自分を想像すると類推に使える経験もないので、なかなか酷だとは思います。
これを踏まえて、エンジニアになったばかりの自分に声をかけるとしたら、「ロールモデルを作って真似をする」「不安な中で歩くための杖として何かハードスキルを一つ身につける」と声をかけるかなと思います。類推する経験がなくても人真似はできますし、真似であれば社内に閉じる必要もないでしょう。社外の勉強会や技術コミュニティに行くという手もあります。
「不安な中で歩くための杖としてハードスキルを一つ身につける」という内容は先ほどと言ってる事が逆のような気もしますが、ソフトスキルのような抽象的で定量化された指標で測りづらいものと長い間向き合うための心理的な支えは欲しくなるでしょう。仕事においてこれだったら戦えるという自信を持つ、そのためにハードスキルを何か一つ身につけるというのはキャリア形成のアプローチの一つとしてありかとは思います。
好奇心を育てる
ここまで書いた内容を実践するのは (書いた本人が言うなよという感じですが) ハードルが結構高いと思います。これに対して、(少なくとも)心理的ハードルを下げるための装置として好奇心は有用なのかなと思います。面白いものがあれば触ってみる。TODO 管理ツールなどの「制作物としてちょうどいいサイズのもの」を色々なやり方で作ってみる。「私の考える最強の XX」を作る。その中で、思考回数を重ねたり、手間が少なくお金のかからない実装方法を求めることで思考の質が深まっていくこともあるかと思います。
この辺りは「恋に仕事に大忙し」という Scrapbox のノートを見てから、色々考えて気づいたら腹落ちしていた気がします。どう繋がったのかうまく言語化できてないですが...
「恋に仕事に大忙し」を見かけたきっかけは、はてな卒業生訪問企画の記事でした。
身の回りのちょっとした困りごとを解決したいみたいな形の好奇心もあるかと思います。色々な形の好奇心を育てていくのが良いでしょう。最近は AI Agent を使えば簡単なプロトタイプを作れるようになったので、そう言った好奇心を大事にできる環境を自分で整えやすくなったのかなと思います。
最後に
思い浮かんだことをつらつら書いていたら、結構な文量の記事になってしまいました。自分も記事に書いたことが完璧にできているわけではないし、最初からうまくできるのも難しいとは思いますが、こういう考え方もあるという意味で何か参考になればと思います。



